今流行の素材「TC」・「T/C」・「ポリコットン」ってなんだろう?

最近新しく出るテントや人気のテントやタープを見ているとやたらと「TC」・「T/C」・「ポリコットン」って出てきませんか?

これはテントやタープの生地・素材のことなのですが、実は一長一短のある素材です。

今回は、このTCだったりポリコットンとは何かというところから、それを用いたオススメのテントやタープを紹介したいと思います。

単に流行に流されるのではなくTC素材の特徴を押さえ、必要に応じてTC素材かその他の素材かを選べるようになりましょう!

この記事はどんな人向け?
・TCって何?と思っている人
・なんだかよく分からないけど、TC素材のテントやタープが気になっている人
・気になっているテントやタープの素材がたまたまTCだった人

目次

  1. TC・T/C・ポリコットンとは?
  2. オススメのTCテント
  3. オススメのTCタープ
  4. おわりに

TC・T/C・ポリコットンとは?

ポリエステルと綿(コットン)の混紡素材

TC・T/C・ポリコットンなどいろいろと呼び方がありますが、すべてポリエステルとコットンの混紡生地のことです。

混紡とは2種類の繊維を混ぜて生地を作ることで、一般にはそれぞれの繊維のいいところ取りをしようとするものです。

例えば、洋服をイメージすると分かりやすいです。

綿100%だと着心地がいいですが、運動をして汗をたくさんかいてしまうとなかなか乾かないことが特徴です。

逆にポリエステル100%のジャージなどは着心地は若干ごわごわしますが、汗をかいてもすぐに乾くことが特徴です。

この相反する性質をいいところ取りするために、2種類の繊維を混ぜる比率を変えたり、織り方を工夫したりして生地を作ります。

ちなみにTCとはテトロン(=ポリエステル)とコットン、もしくはテクニカルコットンの略です。

▲目次へ戻る

ポリコットンのメリットとデメリット

洋服でいうと上述のような特徴があるポリコットン生地ですが、テントやタープなどアウトドア用品にしたときの特徴は下記が挙げられます。

【メリット】
・燃えづらい
・通気性が良い
・結露しづらい
・遮光性が高い

【デメリット】
・重い
・化繊より乾きづらい
・汚れやすい

メリット

キャンプというと焚き火を始めとして火がつきものなので、火に強いのは大変メリットになります。

通常の化繊素材だと火の粉が飛ぶとすぐに穴が開いてしまいます。

さらに冬キャンプにおいては、テントの中などでストーブを使うことも考えられるので、燃えづらいことはむしろ必須の機能になります。

ただ、火に綿のTシャツを当てたら燃えるように、燃えないわけではない点には注意です。

次に、結露は冬場に窓に水滴がつくようにテントの内側に水滴がついて滴ってしまう問題です。

フライシートの耐水圧を高めるほど、また幕内を暖めるほど、テントの内側が結露しやすくなります(冬場の窓が結露しているのをイメージすると分かりやすいと思います)が、通気性のよさ(+実際は吸水性)である程度軽減されます。

耐水圧は350mmと表示上は低いですが、水を吸うと繊維が膨張するので水が滴ることはないというのがポイントです。

また夏キャンプにおいても通気性の良さと合わせて、遮光性の高さは涼しく過ごすことができて大きなメリットです。

このように一年通して汎用性が高く快適に使えるというのがTCの特徴です。

デメリット

こう聞くといいことづくめですが、つまりは水をはじかずに吸うという綿の性質がある程度あるということなので、乾きづらさや汚れづらさがあることがデメリットになります。

乾きづらいということはしっかり乾かしてから保管しないとカビが生えたりするということで、雨などで乾かして帰れなかったときは別途どこかで乾かさなければいけないので、手間的にもスペース的にも極めて面倒です。

また、重量も基本的に重く、テントのような大きなものになるとポールと合わせて20kgぐらいになるものもザラにあります。

雨の時の帰りは水を吸ってさらに重くなってしまいます。

▲目次へ戻る

ここまで人気の理由は?

TCは上述のように一長一短の素材なのですが、なぜここまで人気が出ているのかというと大きく2つ理由あるんじゃないかと思っています。

1.キャンプブームにより通年キャンプを楽しむ人が増えた

最近はアニメやドラマなどでキャンプ人気が高まっているので、夏だけでなく年間を通じてキャンプを楽しむことが普通となりつつあります。

ですので、つまり純粋に薪ストーブを使うためや結露させないためといった機能を求めての人気であるということです。

2.テンマクデザインの大ヒット商品「サーカスTC」がTC素材だから

個人的にはこれもかなり大きいのではないかと思っています。

これに合わせて他メーカーも当然こぞってTC素材のテントを出してきているので相乗効果で人気がより高まっており、一種のブランド化している感じさえあります。

もちろん単純に流行っているからという理由でTCテントやタープなどを選んでも全く問題ないですが、上述のメリット・デメリットを踏まえたうえで自分の用途に合っているか否かを考えて選べればよりよいかなと思います!

▲目次へ戻る

オススメのTCテント・シェルター

[テンマクデザイン] サーカスTC DX

やはりTCを語るうえでサーカスシリーズは外せないかなと思い、tent-Mark Designs(テンマクデザイン)のサーカスTC DXです。

サーカスTC DXはスカートを除く全面にTC素材を用いたワンポールシェルターです。

サーカスTCシリーズはオリジナルのサーカスTCがスポット商品になってしまったこともあり、供給が安定していないので2020年4月現在、唯一?安定して手に入るのがこのサーカスTC DXです。

基本的には寸法はサーカスTCと同じで、サンドカラーとダックグリーンの2色展開でサイドフラップつきとサーカスTCの上位互換ですが、その分サーカスTCより少しお高いのであくまでオリジナルがよかったという意見もあります。

正直そのあたりは好みだと思いますが、個人的にはサイドフラップ付きのサーカスTC DXのほうがワンポールテントの弱点である入口への雨の吹込みも回避でき、使い勝手もよいかなと思います。

【スペック】
サイズ:420×420×280cm
重量:10.9kg
スカート:あり

サーカスTCの各シリーズについての詳細はこちらをご覧ください。

▲目次へ戻る

[Nordisk(ノルディスク)] アスガルド12.6

Nordisk(ノルディスク)のアスガルドベルテント型のポリコットンテントです。

グランピングといえばこのベルテント型をイメージされる人も多いのではないでしょうか?

このベルテント型は周囲が立ち上がっており、ワンポールテントの代表ティピーテントの弱点である外周にデッドスペースが増えるという点が改善されています。

その分設営は手間がかかりますが居住性は大幅に向上しており、だからこそグランピングにもよく使われるのでしょうね。

また、アスガルドといえばこのオシャレでかわいい白い見た目が特徴で、フルコットンのようですが、実際はポリコットン製で比率もサーカスなどと同じポリエステル65%、コットン35%です。

かつてはフルコットンだったようですが、今はポリコットンに切り替わったので逆に昔のモデルはなかなか手に入らないようです。

ちなみに12.6の12は面積:12㎡、6は人数:6人用という意味です。

床はターポリン製で付属しているセットのものと単体で売っているものがあるので注意して下さい。

かなりお値段はりますが、いつかは挑戦したい憧れのテントですね。

【スペック】
サイズ:400×372×250cm
重量:21kg

▲目次へ戻る

[NEMO(ニーモ)] ヘキサライト エレメント 6P:スターカー

NEMO(ニーモ)のヘキサライト エレメントはT/C素材を用いたツ-ポールシェルターです。

ワンポールシェルターに比べるとポールも1本増えていますが、床面がヘキサゴン(六角形)形状でなおかつテンショニングストラップが付属しているため、各辺とストラップが張るようにペグダウンしたあとポールを立てれば終了なので、依然として設営はかなり簡単な部類に入ると思います。

このヘキサライトはもともとT/C以外のモデルが出ており、冬キャンプまでの用途を含めて人気を博していましたが、満を持してT/C素材のエレメントと迷彩柄のマルチカムアリッドが加わっています。

ツーポールシェルターということでワンポールにはない高い居住性とタープのように跳ね上げることも可能なアレンジバリエーションが魅力です。

それでありながら軽量性にも配慮されているのがうれしいですよね。

スカートがないので冬場は裾を雪で埋めるなどなんらかの対策が必要かもしれませんが、通年で汎用性の高い幕なので大変オススメです。

【スペック】
サイズ:561×470×226cm
重量:9.1kg

▲目次へ戻る

オススメのTCタープ

[テンマクデザイン] ムササビウイング13ft. TC“焚き火”バージョン

テンマクデザインのムササビウイングはTC素材のペンタタープです。

タープというとヘキサタープやレクタタープを使っている人が多いのかなーというイメージですが、こちらはやや珍しい?ペンタ型です。

張り姿はどちらかというとムササビウイングということもあってウイングタープに似ている感じでしょうか、まさにムササビのようで非常に美しいです。

サイズ的にはそんなに大きくないためソロかデュオぐらいの規模感で使用するのがオススメで、特にソロテントと小川張りのような形で使うのが快適です。

ワンポールだと高さがあるのでセンターポールと接続するなど工夫しないと接続自体はしづらいですが、接続ができてしまえば前室がないことが多いワンポールテントの居住性が大幅に向上して良いですね。

ソロサイズであればパンダシリーズなどは高さが低いため、小川張りのようにつなぐことができてテンマク同士相性抜群です。

【スペック】
形状:ペンタ
サイズ:390×380/240cm
重量:2.2kg(ポール無し)

▲目次へ戻る

[TATONKA(タトンカ)] TARP1 TC

TATONKA(タトンカ)のTARP1 TCはTC素材のレクタ(長方形)タープです。

最近こそTC素材が流行りのため各社TCタープを出していますが、一昔前はTCタープといえばこのタトンカだったそうです。

タトンカのタープはレクタで大型のTARP1、中型のTARP4、小型のTARP2、スクエアのTARP3、の4種類があります。

TARP1はほぼスクエア(正方形)なので、TARP3の大型と思ってもいいのかもしれません。

TARP1は一番大型のため、ソロだと大きすぎますが、デュオからファミリーまで広くカバーできるタープです。

また、グロメットが8、ループ数も16と比較的多いので多様なタープアレンジが可能なのも魅力ですね。

【スペック】
形状:レクタ
サイズ:445×425cm
重量:2.95kg(ポール無し)

▲目次へ戻る

[DOD(ディーオーディー)] チーズタープ

DOD(ディーオーディー)のチーズタープはポリコットン素材のスクエア(正方形)タープです。

チーズタープはスクエアなのでタトンカと似ているかもしれませんが、スクエアで大きいのが特徴です。

スクエアで1辺が5mあるのでかなりの面積をカバーすることが可能です。

グロメット数は8、ループ数は16とかなり豊富についているのでこちらもかなり多様なタープアレンジができるのがうれしいポイントです。

しかも実勢価格もタトンカより安いのでいいとこづくめのようなのですが、大きすぎる&故に重いところが難点です。

逆にこのサイズ感が用途にマッチするなら間違いなく買いだと思いますのでぜひご検討してみてください。

【スペック】
形状:スクエア
サイズ:500×500cm
重量:6.1kg(ポール無し)

▲目次へ戻る

おわりに

TC素材を説明するとともに、TC素材を用いたオススメのテントとタープを紹介してきましたがいかがでしたか?

欲しいテントやタープがたまたまTC素材だった人も、TC素材のテントやタープを狙って探している人もぜひ特徴を把握して用途に合ったものを見つけていただけると幸いです。

▲目次へ戻る

アイキャッチ画像は Photo by Ethan Bodnar on Unsplash

8件のピンバック

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です