【レビュー】コムテックの2カメラドライブレコーダーZDR-015を使ってみた
最近は煽り運転や危険運転などで、おちおち落ち着いて車にも乗れないですが、みなさんはドライブレコーダー付けてますか?
僕は重い腰を上げて先日ついに取り付けを行ったので、今回は使ってみての印象をレビューしていきたいと思います。
今回、2カメラ型のドライブレコーダー、コムテックのZDR-015というものを付けましたが、画質や録画時間など気になるポイントについて実際のキャプチャも含めてみてみたいと思います。
取り付けした車種はレヴォーグですが、実際の取れ具合など他の車種でも参考になると思いますので、ドラレコをつけようかなと思っている人はぜひご覧ください。
ちなみに取り付けは別記事で書いているので、取り付けからDIYでやりたい人はこちらを参考に指定ください。
この記事はどんな人向け?
・ドライブレコーダーの取り付けを検討している人
・ドライブレコーダーの機能がどんなものか気になる人
目次
対象の車種と取り付けるドライブレコーダー
冒頭でも述べましたが、今回ドライブレコーダーを取り付けるのはスバルのレヴォーグです。
購入は2015年でいわゆるVM4という型式になります。
レヴォーグだとアイサイト用のカメラがバックミラー付近に2つ付いているので、アイサイトに干渉しないようにつけるのがポイントです。
そして今回取り付けるドライブレコーダーはコムテックのZDR-015です。
値段は多少前後しますが2020年10月に確認した感じですと、だいたい20,000円強ぐらいが実売価格であることが多いみたいですね。
2カメラドライブレコーダーで、フロントだけでなくリアも付けられるのが特徴で人気のポイントですね。
超広角の360°対応ではないですが、まずは前後が撮れればと思って導入しました。
各機能紹介とレビュー
ここからは少し細かくなりますが、各機能について詳細な説明とレビューをしていきたいと思います。
WDR/HDR搭載で白飛びなし&高画質でナンバーまでくっきり
まず、一番気になる画質を見てみたいと思います。
結論から言うと、ZDR-015はフロントもリアも200万画素でFull HD(1920×1080)まで対応しており、あとでパソコンで見ても十分に高画質と言えると思います。
ちなみに初期設定だとHD(1280×780)になっています。
視野角もフロント145°、リア140°と十分な広さです。
このようにもともと高画質ですが、さらにWDR・HDRといった画像補正機能が付いています。
WDRはWide Dynamic Range(ワイドダイナミックレンジ)、HDRはHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略です。
どっちもダイナミックレンジが広そうですが、HDRのほうがより広く、高性能です。
ダイナミックレンジは感度の幅と思えばいいと思います。
つまり、ある程度暗くても明るくても鮮明に画像が撮れますということです。
ダイナミックレンジが狭いと、暗い場合は画面が真っ暗、明るい場合は画面が真っ白ということになります。
カメラに詳しい方はイメージしやすいですね。
WDRやHDRについては実際に見てみるのがてっとり早いと思い、画像を撮ってみました。
肝心なナンバーは映すことができませんが、どれぐらい見えるか補足説明していきます。
初期設定(HD・補正なし)
まず初期設定のHD・補正なしです。
フロントカメラが傾いているのは両Aピラーが入るように斜めに付けたせいなので気にしないでください。
画像自体は、補正なしでもかなりよく見えるな、という印象です。
フロント画像のように先行車が遠いとよく見えなかったりしますが、近い車両のナンバーは隣の車線もよく見えます。
リアはさらによく見える印象で、運転手の顔や目線がどこを向いているかまで分かるのには驚きました。
通行人の顔もだいぶ良く見えますね。
日光がもろに当たっていない良いコンディションだと補正なしでも全然行けそうです。
Full HD・WDR
Full HD・WDR、フロント画像 Full HD・WDR、リア画像
次に、Full HDのWDRです。
どちらかというとHD⇒Full HDの影響だと思いますが、フロントカメラは少し離れていても、4桁のナンバーは視認することができました。
一方で、地名や3桁の分類番号、ひらがなはここまで離れているとちょっときついかなという印象でした。
リアカメラはもとからよく見えていましたが、より鮮明に見えるようになりました。
ちょっとやそっとのコンディションの悪化では全然まだ見えるだろうなという印象です。
Full HD・HDR
Full HD・HDR、フロント画像 Full HD・HDR、リア画像
最後にFull HD・HDRです。
フロント・リアともに、ナンバーは非常に良く見えるのはもちろん、周りの標識などを含めた環境もかなり見やすかったです。
標識やナンバーの白いところが白飛びすることもなく、有事の際にも使えそうなクオリティです。
また、フロントカメラではかなり遠くに映っている信号の色も確認できました。
ただ、さすがに晴れた日の斜陽が正面に来るときだと、4桁のナンバーを確認するのがやっとという感じでした。
これはさすがにしょうがないと思う一方、そういうときに事故が起こりやすいと思うのでちょっと残念なところでもありました。
録画について
録画可能時間
次にどうやって保存されているかですが、メディアはmicroSDHCカードです。
はじめから16CBのものが付属していますが、32GBのものを別途購入して使うことができます。
それより大きいmicroSDXCカードでも動いたという話はネット上でもちらほら見かけますが、動作保証対象はmicroSDHCカードの32GBまでなので注意してください。
各メディアで録画可能な時間はモードによって変わりますが、一覧が下記です。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
※赤字がデフォルトで付属しているmicroSDHCカード
デフォルトの16GBでも最も高画質にして90分撮れるので、まぁ十分かなという気がします。
えっ90分じゃ出先から帰ってこれなくない?と思う人もいると思いますが、90分でも十分かなと思うのは、事故のときの録画と常時録画が分かれているからです。
録画領域
事故のときの録画と常時録画が分かれているというのはどういうことかというと、90分のうち一部はイベント録画(衝撃/マニュアル録画)と呼ばれる有事の際の録画に使われ、残りの部分が常時録画として使われているということです。
図を取説から持ってきました。
このイベント録画の領域は10~30%(90分なら9~27分)に変えることができ、残りの90~70%(81分~63分)が常時録画に使われるということです。
デフォルトだとイベント録画の領域は20%(18分)になっていて、残りの80%(72分)の領域が常時録画で上書きされながら使われていきます。
事故でとっておきたい瞬間って18分もあればだいたい十分ですよね。
長時間にわたる煽り運転を想定するならもう少し長くてもいいかもしれませんが、そういうときはできればもう少し早く手を打ちたいところです。
ちなみにあまりないと思いますが、イベント録画が繰り返されて18分を超えた場合は、古いほうから上書きされて消えてしまうので注意してください。
上書きされないようにも設定できますが、今度は新しい分が撮られなくなるので、予備のmicroSDHCカードを用意しておくか、事故があった後は家ですぐにPCにデータを移すかがいいと思います。
録画開始タイミング
動画はいつ撮られているのかですが、主に2種類の撮られ方があります。
- 常時録画:エンジンを入れた時点で開始して常に録画している。
- イベント録画:なんらかのトリガー(きっかけ)を受けて、常時録画で撮っていたものをイベント録画として保存する。
トリガーとしては主に2種類です。
- 衝撃:Gセンサーが付いており、設定値以上の衝撃を検出したとき。
- マニュアル:自分で録画を開始したとき。
使いどころとして、いわずもがな衝撃トリガーは事故の衝撃のときに作動しますが、マニュアルは例えば煽り運転のときが挙げられます。
ちなみに路面の凹凸などですぐに衝撃録画が始まってしまう場合はGセンサーの設定を変更すればOKです。
すぐに始まる場合は、なんとなくレベルを上げてもいいですが、後述のビューワソフトでだいたいどれぐらいのGレベルかが分かるので確認して設定するのも良いかと思います。
専用ビューワソフト
次に保存されていたものをどうやって見るかですが、専用ビューワソフトがあります。
個人的に一番感動したのがこの専用ビューワソフトです。
専用ビューワソフトがなくても動画はAVI形式で30秒ごとに保存されていて中身を見ることはできますが、コムテックのホームページから無料でダウンロードでき、インストール不要で使えるのでダウンロードすべきと思います。
ちなみに他の再生ソフトでも一応見れるが、完全な映像が見れないという感じでした。
例えば、どのWindows PCにも入っていると思われるWindows Media Playerでは、フロントの映像しか見ることができませんでした。
これが実際のビューワソフトでの画面ですが、
- フロントカメラ・リアカメラの映像
- 速度
- 前後・左右・上下のGセンサー(加速度)
- GPS情報
- 撮影した時間
を確認することができました。
他にもリアカメラの左右反転ができたり、画像キャプチャ・動画保存ができたりと何かと高機能でした。
事故の時の情報を漏れなく記録してくれているので、安心な反面、自分も違反できなくて身が引き締まりますね。
ちなみに衝撃録画のGセンサーの設定は、ビューワで通常走行のGレベルがどんなものか見て決めると良いかなと思います。
僕は0.6Gにしてますが、コンビニなどを出るときの段差で0.5G弱ぐらいだったので、0.5Gでもいいかもしれませんね。
全国のLED信号に対応
上述のFull HDのフロント画像でも映っているように信号の色は問題なく確認できました。
この全国のLED信号に対応というのは東日本と西日本でのLEDのフリッカーに対応しているということですが、かなり重要なことです。
要はカメラのフレームレートを東日本と西日本の交流周波数とずらして、フリッカーが同期しないようにしていますよ、ということですが、これで意味が分かる人は次に進んじゃってください。
フリッカーとフレームレートについて
少し長くなる&話は逸れますが、分からない人も多いと思うのでフリッカーとカメラのフレームレートについて説明します。
まず、フリッカーとは照明のちらつきのことです。
古い蛍光灯がチカチカしているイメージはなんとなくつくと思いますが、もっと早いチカチカが信号でも起こっています。これがフリッカー現象です。
つまり、我々の目には常に光っているように見える信号は、実はついたり消えたりしているということです。
しかもこのフリッカーの早さ(周期)は東日本と西日本で違います。
コンセントの交流電流は東日本で50Hz、西日本で60Hzというのを聞いたことがあると思いますが、フリッカーの周期はこの交流電流の周期に対応して起こるためです。
ちなみに50Hz(ヘルツ)は1秒に50回という意味です。
次にフレームレートは、カメラが1秒に何枚写真を撮るかということで、fps(frame per sec)という単位で表します。
動画ってずっと撮っているんじゃないの?と思う人もいると思いますが、実際は1秒に30枚とか撮った静止画を紙芝居上に滑らかにつなげて動画ができています。
iPhoneのカメラ(少なくとも僕のiPhone8は)も初期設定だと30fpsになっています。
ここでドライブレコーダーのフレームレートが50fpsだったら何が起こるでしょうか?
信号は1秒に50回ついたり消えたりしており、カメラは1秒に50回写真を撮っています。
ぴったりタイミングが合えば全部の写真で信号がついている画像が撮れますが、逆にちょっとずれると最悪の場合、50枚全部信号が消えている瞬間が撮られるかもしれないということです。
有事の際に信号の色が分からないというのはドライブレコーダーとしては致命的な欠陥なため、東日本だろうが西日本だろうがちゃんと撮れるようにしてますよ、というのがこの機能の意味です。
ラフですが、説明としてはこんな感じです。
ちなみに具体的にはカメラのフレームレートを19.1fpsと29.1fpsのいずれかから選ぶことができます。
これだけ見ると謎に中途半端な値に見えますが、信号の色が映るようにするには大事なことなんですね。
それでもフリッカー現象自体は起こるので、実際に撮られている動画を見てみると、チカチカしているのが確認できて、よりフリッカー現象がなんなのか実感がわくのではないでしょうか。
ノイズ対策済み
これは配線に遮蔽(しゃへい)が施されていてナビやGPSに影響が出ないということだと思います。
けっこう当たり前の機能かなと思わなくもないですが、対策されてないものも中にはあるみたいですね。
実際に使ってみて、当然受信に影響が出ている感じはまったくしませんでした。
駐車監視機能
もしかしたら気になる人も多いかもしれない駐車監視機能ですが、使うには別途HDROP-09という配線を買って、常時電源(エンジンなどを切っても使える電源)を取る必要があります。
付属の電源コードだとシガーソケットから電源を取ることになっているので、走行中しか録画できないんですよね。
ですが、個人的には下記の理由から駐車監視機能は使っていません。
- 自宅は機械式駐車場でぶつけられるリスクが低い
- 普段は週末に乗るぐらいでそこまで頻繁に乗るわけではない
- 普段そこまで乗らないと常時電源を取ることでバッテリーに負担がかかる
- かといって電源を別系統で用意するのは面倒くさい
しかし、あとでよく機能を見たらワンタイム駐車監視モード機能(つまり外出時にぶつけられるリスクがありそうと思った時だけONにできる)や駐車監視モードパス機能(逆に今日は機械式だからなどリスクは低そうと思った時だけOFFにできる)がついていることが分かったので、駐車監視機能はあとで使えるようにするかもしれません。
ちなみに我が家の車にシートヒーターはついていないので、常時電源を取るとしたらシートヒーターからかなーと思っています。
安全運転支援機能
ドライブレコーダー的には補助機能ですが、安全運転支援機能は全部で6つ付いています。
- 先行車発進お知らせ機能
- 前方信号お知らせ機能
- 先行車接近お知らせ機能
- 車線逸脱お知らせ機能
- ドライブサポート機能
- 車速アラーム機能
だいたいはアイサイトがついていれば正直特にいらない機能ですが、前方信号お知らせ機能は僕のレヴォーグについているアイサイトver.3にもついていない機能です。
ちなみに6つの機能は個別にオン・オフできるようになっています。
とりあえず重複する機能も含めて使ってみましたが正直微妙でした。
僕は画角に全部収まることを重視するあまりちょっと変な付け方をしたのも原因かもしれません。
右下がりに傾いている
これによって何がよろしくないかというと、キャリブレーションがうまくできなくなるからです。
キャリブレーションは上図のように画角の調整をするようなものですが、カメラを傾けているとこの調整がうまくいきません。
むしろ、その割には比較的認識すると思ったほうがいいのかもしれません。
その前提での感想にはなりますが、
- 先行車発進お知らせ機能:比較的良好に作動
- 前方信号お知らせ機能:最前列にいるときよりもなぜか2列目以降にいるときのほうがよく反応し、あまり意味がない
- 車線逸脱お知らせ機能:当然ウインカーとは連動していないので、車線変更のときに反応してしまう
ということで個人的にはあまりよくないと思いました。
しかも、けっこう不意なタイミングで音が鳴るのでびっくりして慣れないと余計危ないですね。
また、以下の機能はわざと作動させるのも危険なので試してはいませんが、逆に誤作動とかはしませんでした。
- 先行車接近お知らせ機能
- ドライブサポート機能(急な発進・停止・旋回をGセンサーで検出)
- 車速アラーム機能
ドライブレコーダーにおいては撮影がまず第一の機能なので、最初にも書いたように運転支援はあくまで補助機能だと思いますが、申し訳ないですがおまけ程度にとらえておいた方が良いかなと思います。
後付けのドライブレコーダーだと、どうあっても車の制御とは連動させられないので、仕方のない部分が大きいですね。
おわりに
今回はレヴォーグに取り付けたドライブレコーダー、コムテックZDR-015のレビューをしてみました。
全体としてはかなり満足で良い点・悪い点をまとめると以下のような感じでしょうか。
良い点
- フロントもリアも非常に高画質
- 全国のLED信号をちゃんと映すことができる
- ビューワソフトのクオリティが高い
悪い点
- 駐車監視機能を使うには別途専用ケーブルを買わなければならない
- 安全運転支援機能は微妙であくまでおまけ
一応悪い点も挙げていますが、ドライブレコーダーとしての性能は総じて高いと感じました。
もし、導入を検討している人がいたら自信をもっておすすめできると思います。
まだ導入していない人がいたら、やはり何か起きてからでは遅いので、この機に導入してみてはいかがでしょうか?
冒頭にも紹介しましたが、取り付け方についてはこちらの記事で詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。