OD缶?CB缶?まず揃えたいお手軽定番のシングルバーナー9選!
突然ですが、みなさんはシングルバーナーを使っていますか?
料理で火を使おうと思った場合、キャンプであれば好みでどんな選択肢もとれるので、焚き火派の人もいるでしょうし、ホワイトガソリン派の人もいると思います。
僕はもともと登山で共用したかったのもあり、OD缶のガスシングルバーナーを持っていますが、単純にキャンプ用と考えても、コーヒーやカップラーメン用のお湯をちょっと沸かすときや、ウインナーを焼くぐらいの簡単な料理ならやはりシングルバーナーは手軽で便利だと感じます。
ということで今回は初心者でも安心して使える定番のガスタイプのシングルバーナーを紹介したいと思います。
この記事はどんな人向け?
・定番のシングルバーナーを探している人
・キャンプ初心者で料理もまずは簡単なものにしたい人
・ガスタイプのシングルバーナーを探している人
目次
シングルバーナーとは?
一口のコンロみたいなもの。小型・軽量で手軽に使えるのが良い。
シングルバーナーとは一口のコンロみたいなもので、料理をするときに使うものです。
ワンバーナーとかシングルストーブなどと言ったりもします。
長時間煮込むなどの料理には向きませんが、さっとお湯を沸かす、火を通すなど簡単な湯沸かしや調理で威力を発揮し、手軽に火を使うという点ではかなり便利なギアです。
キャンプでは焚き火など他にもいろいろと火元がありますが、例えば朝ごはんを作るのに焚き火などを起こすまでもないときに使うことができます。
また、小型・軽量なので登山などに持っていくのにも重宝します。
タイプは一体型か分離型。
シングルバーナーのタイプとしてはガス缶に直結している一体型(前項のインスタ画像)とホースでつながっている分離型(本項のインスタ画像)があります。
一体型はシンプルで部品点数が少ないため、かなり軽量になります。
コンパクトさは五徳をたたむ機構により多少変わりますが、基本的にコンパクトです。
選ぶときにはメーカーごとの機構に着目してみるのもいいと思います。
一方、分離型はホースもあることもあり若干かさばるものの、五徳の安定感を重視しているモデルが多いです。
やや大きめのクッカーを置く場合は分離型のほうが安定感はあります。
代表的な燃料はガス(OD缶 / CB缶)とホワイトガソリン。
シングルバーナー用の燃料は代表的なものでいうとガスとホワイトガソリンが挙げられると思います。
ガスもホワイトガソリンは一長一短でメリットとデメリットは真逆と言えます。
まずガスですが、シングルバーナーというとおそらくガス缶で使うタイプのほうをイメージすることが多いのではないかと思います。
ガス缶にはOD缶(上のColemanの缶のような扁平な形の缶)とCB缶(上のSOTOの缶のような細長い缶)があります。
中身は液化石油ガス(LPG)で、基本的にはブタンガス(ノルマルブタン、イソブタン)が入っており、ハイグレードなものだとプロパンガスも含まれています。
ガス缶はシングルバーナーを接続してひねればすぐに着火して使えるのが最大のメリットですが、中身の液化ガスを気化させて使っているので、気化熱により缶の温度が下がってきてだんだん火力が下がってしまう(ドロップダウン現象)のがデメリットです。
また外気が10℃以下になるとそもそも着火しづらくなったりもします。
ただ、ドロップダウン現象はプロパンの配合を増やすことである程度改善されるので、真冬にキャンプをする人や登山など気温の低いところで使うわけでなければそこまで致命的な問題とはならないと思います。
OD缶とCB缶の違いは
- OD缶はサイズのバリエーションがあり、コンパクトなものがある
- 傾向としてはOD缶のほうがドロップダウン対策でプロパンやイソブタンが入っている割合が多い
- CB缶はいわゆるカセットコンロと共用ができるので、家でも鍋などでカセットコンロを使う人は便利
と言ったところでしょうか。
ただ、CB缶でもプロパンやイソブタンが入っているものも売っているので、成分をよく見ると良いと思います。
グレードがいくつか分かれていて、通常のものよりハイグレードなものがあったらそれにはプロパンやイソブタンが入っている可能性が高いです。
一方、ホワイトガソリンは着火のしやすさがガスよりはかなり優れていますが、ひねってすぐ着火というわけにはいかないのがデメリットです。
基本的にはポンピングという圧力をかけて燃料を押し出す作業と、プレヒートという燃料を気化させる作業が着火の前に必要になってきます。
慣れれば大したことはない作業ですが、初心者が手軽に使えるかというと違うかなと言ったところです。
用途によって使い分ける必要がありますが、初心者だとそもそも非常に寒いときに使うことは少ないと思うので、ファーストチョイスになりやすいのはガスで、低温のニーズに応じてホワイトガソリンタイプを選べばいいと思います。
今回は手軽に使えるガス用のシングルバーナーにフォーカスします。
ホワイトガソリン用のシングルバーナーについてはまた別記事で触れたいと思います。
燃料についてはもう少し細かく書いている別記事がありますので、違いがよく分からないという人はぜひご一読ください。
手軽に扱えるガスタイプでオススメのシングルバーナー9選!
シングルバーナーを選ぶポイント
シングルバーナーの選び方ですが、
- 一体型 or 分離型
- OD缶 or CB缶
- コンパクトさ
- 値段
の他に
- 出力
- 対応するガスの成分
にも着目してみるとよいと思います。
出力は比べてみるとけっこう違いますが、ガンガン料理をするなら2,500kcal/h以上が目安かなと思います。
のんびりお湯を沸かすぐらいならもう少し低くてもいいとは思います。
また、対応するガス缶は基本的に同じメーカーのものになるので、ガス缶のラインナップがどうなっているかは確認しておいた方が良いです。
低温で使いたい場合は特にハイグレードなもの(イソブタンやプロパンが入っているもの)があるかに注意してみてください。
一体型
[Coleman(コールマン)] ファイアーストーム
軽量・高火力のバランスのいいシングルバーナー。
ファイアーストームはコールマンのOD缶用一体型シングルバーナーです。
対応するガス缶はレギュラーとスーパーの2種類あり、サイズは230gと470gがあるので合計4種あります。
ガス缶はレギュラーでもプロパン10%/ノルマルブタン90%なのでドロップダウンにはそこそこ強いです。
スーパーになるとノルマルブタンがイソブタンになるのでさらにドロップダウンに強いです。
また、火力もかなり強い部類で、スペック上は最高で3300kcal/hとなっています。
重量も150gと非常に軽量なので、バランスの良いシングルバーナーと言えると思います。
五徳は3本ですが大きめなので安定感も良いと思います。
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※表がはみ出ている場合は右スクロールできます。
[EPIgas] REVO-3700 STOVE
圧巻の高火力がウリのシングルバーナー。
REVO-3700 STOVEはEPIgasのOD缶用一体型シングルバーナーです。
EPIgasはもしかしたら聞きなれないかもしれませんが、1961年にイギリスで創設された会社で、昔から長年海外遠征隊の登山をサポートしてきているので、信頼できるメーカーです。
重量は111gと軽量でありながら、最高火力は3700kcal/hとかなりの高火力を誇ります。
五徳も4本あって安定感も抜群なので、人気も頷けるスペックの高さとなっています。
対応するガス缶はレギュラー・パワープラス・エクスペディションの3種類あり、使用温度の目安はそれぞれ+10℃、-15℃、-20℃とパワープラスとエクスペディションはかなり低温でのドロップダウンに強くなっています。
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[PRIMUS(プリムス)] 153ウルトラバーナー
EPIに並ぶ高火力・低重量・コンパクト。
153ウルトラバーナーはプリムスのOD缶用一体型シングルバーナーです。
EPIのREVO-3700 STOVEに並ぶ高火力と低重量を実現しており、非常にスペックが高いのが特徴です。
五徳はX字になっているため、4方向のうち1方向の火が風で消えてしまっても残りは消えずに保たれる構造になっています。
五徳はX字ということで4本あるため、外径148mmとかなり安定性にも優れます。
さらに五徳の1本1本は半分に畳むことができるため、収納もかなりコンパクトです。
EPIとともにプリムスはキャンプのみならず、登山にかなりオススメできるスペックですね。
対応するガス缶は2種類あり、ノーマルガスとハイパワーガスがあります。
大きさはそれぞれ2種類で約230gと460gですが、それと別に小型ガスという110gのさらに小さい缶もあります。
小型ガスの中身はハイパワーガスと同じです。
プリムスはガスの中身の組成までちゃんと公式で公開されており、
- ノーマルガス:ノルマンブタン約65%、イソブタン約33%、他
- ハイパワーガス、小型ガス:ブタンガス約75%、プロパンガス約25%
となっています。
ただ、ブタンガスと書いてあるものはノルマルブタンとイソブタンの混ざりものでおそらく一般にノルマルブタン主体のものです。
ドロップダウンを気にする場合はハイパワーガスを選択しておけば問題ないと思います。
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[snow peak(スノーピーク)] ギガパワーマイクロマックスウルトラライト
際立つ軽さは圧倒的でなんと56g。
ギガパワーマイクロマックスウルトラライトはスノーピークのOD缶用一体型シングルバーナーです。
ウルトラライトというだけあって、一番の特徴は軽さでわずか56gしかありません。
今回紹介するものでは後述のアミカスが次に軽いですが、それより3割も軽いです。
それもそのはず、このギガパワーマイクロマックスウルトラライトには着火装置がついていないので、ライターやマッチなど別途着火装置が必要になります。
とはいうものの、だいたい着火装置はついていても壊れがち(だと思う)なので、ライターはどっちにしろ手持ちする人が多いのではないかと思います。
出力は2800kcal/h、価格は8,000円弱と軽さ以外は及第点の普通の値という感じなので、やはり軽さを一番重視したい人が選ぶべきかなと思います。
対応するガスはイソブタン・ノルマルブタンのギガパワーガス イソとプロパン・イソブタンのギガパワーガス プロイソの2種類があり、サイズはそれぞれ110、250、500の3サイズあります。
こちらもドロップダウンを気にする場合はプロイソを選んでください。
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[SOTO(ソト)] アミカス
ダントツの安さと十分な軽量性でエントリーにオススメなモデル。
アミカスはソトのOD缶用一体型シングルバーナーです。
アミカスの特徴は何と言ってもその安さです。
他のモデルから比べると30~50%ぐらい安く、これはエントリーモデルとしては非常にハードルが下がってよい点です。
安いからと言って性能が特別低いわけではなく、むしろ軽量性は81gで点火装置付きなのでかなり優秀な部類です。
火力は2600kcal/hなのでやや控えめに見えますが、実際湯を沸かしたりには十分なレベルです。
対応するガスはパワーガス トリプルミックスの1種のみですが、プロパン、イソブタン、ノルマルブタンのブレンドになっているので、ドロップダウンに強いガスで低温時も使えます。
比率はメーカーサイトにSDS(Safety Data Sheet:安全データシート)が公開されており、それによると
- プロパン:15~25%
- イソブタン:40~50%
- ノルマルブタン:30~40%
と言ったところで十分なプロパン含有率と言えそうです。
他社で言うレギュラーやノーマル系のガスはラインナップにないという感じですね。
また、サイズは105、250、500の3種類あります。
ガスは1種で選び間違いの心配もなく、シングルバーナー自体も安いということでこれからキャンプを始めるので買いたいという人には特にオススメです。
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[snow peak(スノーピーク)] HOME&CAMP バーナー
収納も楽しむスノーピークらしい製品。
HOME&CAMP バーナー ブラックはスノーピークのCB缶用シングルバーナーです。
非常にスノーピークらしいデザインの製品で、他に類を見ないスタイリッシュなデザインになっています。
一応一体型としての紹介ですがいわゆる一体型とは違い、実際は一体型と分離型の間ぐらいの感じでしょうか。
ホースなどのわずらわしさがない点は一体型で、五徳の安定感は分離型となっています。
デザインにこだわっている分、重量がかなり犠牲になっており1,400gもあります。
名前もHOME&CAMPであることからも分かるように、家で使うことも想定されています。
コンパクトなキャンプ向けではないとはいえ、重量がだいぶ重いのはデメリットかなと感じました。
また、CBであることもあってか出力も2,100kcal/hと重さの割には控えめです。
憶測ですが、一体型並みに缶が近くなる&五徳が大きいことから、鍋などで長時間使うことを想定していて、その時に缶が加熱されすぎないように少し火力を絞っているのかも、と思いました。
いずれにしてもミニマルなスタイルではなく、ゆったりと楽しむとき向けかなと思います。
対応するガスはギガパワーガスCBイソとギガパワーガスCBブタンの2種類あり、前者はイソブタン入り、後者は単純にブタン(イソブタンも少しまじっているが、基本はノルマルブタン主体)となっています。
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分離型
[EPIgas] APSA-III STOVE
分離型の中でもかなり高火力に振ったモデル。
APSA-III STOVEはEPIgasのOD缶用分離型シングルバーナーです。
APSA-III STOVEは分離型ということでかなり立派な五徳がついています。
最も特徴的なのはその火力で、レギュラー缶で3360kcal/h、パワープラス缶で最大4000kcal/hという高火力を誇りますが一方、マイクロアジャスト機構が搭載されているため、極小のとろ火も可能なので、本格的な料理に向いています。
重さは425gとそこそこありますが、分離型で五徳の立派さを考えると意外と軽いかなと思います。
対応するガス缶はREVO-3700 STOVEでも言及しましたが、レギュラーカートリッジとパワープラスガスカートリッジがあります。
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[PRIMUS(プリムス)] エクスプレス・スパイダーストーブⅡ
分離型としては最高峰の軽さ。
エクスプレス・スパイダーストーブⅡはプリムスの分離型OD缶用シングルバーナーです。
APSA-III STOVEが火力に振っていたのに対し、エクスプレス・スパイダーストーブⅡは軽さに振っています。
分離型なのにわずか195gしかなく、軽さは一体型のシングルバーナーに迫る勢いです。
収納サイズもかなりコンパクトで、分離型の安定感を持ち運びたいという人には非常に良いと思います。
圧電点火装置はさすがについていないので、別途ライターなどの火種は持参する必要はありそうです。
火力は2400kcal/hなのでやや控えめですが、お湯を沸かしたり簡単な料理をするには問題なさそうです。
対応するガスは153ウルトラバーナーと同じでノーマルガスとハイパワーガスがあり、低温にも対応可能です。
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[SOTO(ソト)] シングルバーナー
OD缶対応が多い中、CB缶を使えるシングルバーナー。
ソトのシングルバーナー ST-301は分離型のCB缶用シングルバーナーです。(商品名がシングルバーナーで分かりづらいので型番を付記します。)
どこのメーカーもOD缶対応のものが多く、分離型でCB缶を使えるものはそこまで多くないので、貴重と言えば貴重です。
上位モデルのマイクロレギュレーター搭載のレギュレーターストーブ FUSIONはドロップダウンに強いためそれはそれでおすすめですが、このシングルバーナー ST-301は3200kcal/hの高い火力が魅力です。
せっかくの分離型なのでガンガン料理をしたいという場合にはこの火力は重宝すると思います。
SOTO(ソト)のOD缶はトリプルミックスの1種ですが、CB缶は2種分かれていて、レギュラーガスとパワーガスがあります。
成分は
- レギュラー:イソブタン、ノルマルブタン
- パワーガス:プロパン、イソブタン、ノルマルブタン
となっており、パワーガスはしっかり低温でも使えるガスになっています。
ただ、プロパンの含有はトリプルミックスの15~25%よりはやや低めで8~12%となっています。
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おわりに
今回はキャンプで手軽に使えるガスのシングルバーナーを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
シングルバーナーは見た目で違いが分かりにくい上に、最近はどこのメーカーでも優秀なので、意外と後悔しづらいアイテムかもと思いますが、スペックを比較してみるとやはり細かい違いがあるので、最初だからこそちゃんと選びたいですね。
それでは今回の記事がみなさんのシングルバーナー選びの一助となれば幸いです!
※実売価格は記事執筆時のネット上での実売価格となり、変動するものなのでご了承ください。
ガソリンストーブや灯油バーナー(ケロシンストーブ)をお探しの人は別記事がありますので、ぜひご覧ください。
Photo by WeSideTrip on Unsplash
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